苦悩刻むドキュメンタリー番組 沖縄映像祭、きょうまで


この記事を書いた人 平良 正
戦前・戦後の沖縄の歴史を刻むドキュメンタリー番組を上映した「沖縄映像祭」=4日、宜野湾市の沖縄国際大学13号館

 「『沖縄現代史を見る』with沖縄映像祭」(沖国大沖縄法政研究所主催、NPO法人文化経済フォーラム共催)が4日、沖縄国際大学で始まった。5日まで。佐藤栄作元首相の密使として、沖縄返還の対米交渉を水面下で担った国際政治学者、若泉敬氏の苦悩を描いた「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(琉球放送)など初日は19作品が上映された。

 各作品を3会場に分けて上映し、初日は延べ775人が鑑賞し、基地にほんろうされ、権力に抑圧されてきた沖縄の現代史を学んだ。期間中、沖縄戦に巻き込まれる過程から米統治下、沖縄返還運動など県内の4放送局が制作したドキュメンタリー26作品を上映する。

 沖縄戦で学びの中断を余儀なくされ、高齢になって那覇市の民間夜間中学校「珊瑚舎スコーレ」に通う人々の涙と笑いにあふれた学園生活を追った「まちかんてぃ」(沖縄テレビ)は、多くの大学生が鑑賞した。沖国大3年の砂辺さりなさん(20)は「戦争の影響で、読み書きができなかったお年寄りがいたことを初めて知った」と感想を話した。