キングス自滅大敗 北海道に51―77 Bリーグ第12戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、7勝4敗)は4日、宜野湾市立体育館でレバンガ北海道(東地区4位、7勝4敗)と今季第12戦を行い、51―77で大敗した。試合序盤は外国人選手を生かしたインサイドのプレーが光ったが、攻撃で消極的ミスが連発し好機を生かせない悪い流れは守備にも影響した。第2クオーター(Q)は北海道から3点しか奪えず、前半は17―35のダブルスコア。後半は個々の選手が奮起したが、差は広がり続けて26点差で敗れた。レバンガ北海道の松島良豪(小禄高―国士舘大)もPGとして出場した。北海道とのホーム2戦目は5日午後1時5分から、同体育館で行う。(観客2812人)

北海道 8勝4敗
77―51(14―14,21―3,21―15,21―19)
キングス 7勝5敗

 【評】キングスは試合の出だしはボールがうまく回りインサイドのプレーで力を見せたが、攻撃でミスを連発し、前半だけでターンオーバー14と自ら好機をつぶした。第3Qに入ってもシュート決定率は上がらず、第4Qはハッサン・マーティンが奮闘したが、北海道に大敗した。

◆前半で勢い失う
 佐々宜央HC(キングス)の話 非常に厳しい試合内容だった。ファーストブレークでターンオーバーを連発し、前半で勢いを持っていかれてコート上で打開できなかった。平常心を保てない選手もいたが、外国人によるインサイドの得点は増えた。

◆試合通し好守備
 水野宏太HC(北海道)の話 東地区のプレーオフ圏内を維持するための緊張感ある試合の中で、4Q通して20点以下に抑えるいい守備ができた。明日のキングスは全然違うチームになると思うので、1点でも多く取っていきたい。

◆消極姿勢、凡ミス連発

キングス―北海道 第1Q ディフェンスを振り切りゴール下に切り込むハッサン・マーティン=4日、宜野湾市立体育館(内原優士撮影)

 消極的姿勢で凡ミスを連発し、前半だけでターンオーバー14と、琉球キングスが自滅した。試合は最後まで主導権を奪えず、レバンガ北海道に26点差の大敗。右足首の負傷でリハビリ中だった古川孝敏の今季初出場に沸いたファンが、試合終了前に帰り出すほど「ぼろ負け」(佐々宜央HC)の内容だった。

 序盤は、外国人選手のインサイドプレーを選手全員で遂行し、練習成果を見せたが徐々にミスが目立ち始める。せっかく奪ったファーストブレークの好機を消極的なプレーでつぶすと、チームの柱である守備の意識もぶれだした。第2Qは3得点のみで、一方で失点は21点となった。

 主将の岸本隆一自身も「第3Qではもう遅い」と振り返るほど、追い上げが困難な状況へ。それでも、ハッサン・マーティンが「前半の大きな穴を埋めるため、がむしゃらにいった」とゴール下の個人技や味方をフォローするリバウンドでバスケットカウントも奪ったが、差は縮まらなかった。

 完全回復まで「もう少し」と語る古川は「ファンと喜びを分かち合えるように激しくプレーしていきたい」と、チームへの貢献度を高める意識を強めた。昨季、負け越した苦しみを知る岸本は「悪い流れを乗り越えるためにも、去年の経験を無駄にしたくない」と語り、「今日の敗戦を糧にしないといけない」と明日の巻き返しに気合を入れ直した。
(嘉陽拓也)