キングス雪辱圧勝 北海道に98―71 Bリーグ第13戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、7勝5敗)は5日、宜野湾市立体育館でレバンガ北海道(東地区4位、8勝4敗)と今季第13戦を行い、98―71で圧勝した。4日に26点差で大敗したキングスだが、5日は序盤から守備で安定感を見せると、岸本隆一の3点弾で先制。相手のインサイド攻撃も封じて第1Q(クオーター)で24―17とリードした。田代直希や須田侑太郎の3点弾、二ノ宮康平や石崎巧の視野の広いパス回しに加えて、渡辺竜之佑の泥臭いプレーがさらなる爆発力となった。終盤になるにつれて北海道も試合の立て直しを図ったが、キングスの勢いは止まらず、27点差で雪辱を果たした。キングスの次戦は11、12の両日、兵庫県の三田市駒ヶ谷運動公園体育館で西宮ストークスとアウェー2連戦を行う。 (観客2787人)

キングス 8勝5敗
98―71(24―17,32―14,26―21,16―19)
北海道 8勝5敗

 【評】キングスは第1Qから安定感ある守備を見せ、余裕のある攻撃展開をつくり出すと、4日は入らなかったミドルや3点弾が決まり、外国人勢のインサイドプレーが点に結び付いた。第1Qからリードを保ち、コート上の選手が満遍なく活躍した。最後まで点差は縮まらずに北海道を圧倒した。

◆ただの勝ちではない

 佐々宜央HC(キングス)の話 うまい下手ではなく、やろうとするやつがやってくれた試合だった。ただの勝ちではない。大敗した昨日と今日の違いを突き詰めれば深い部分がある。このチームとしてどこを目指すか。今だからどうにかなるという時期ではない。シーズン後半で強豪チームとやるという危機感を持っていきたい。

◆簡単に打たせすぎた

 水野宏太HC(北海道)の話 4日とは逆の展開となった。対応されて簡単にシュートを打たせすぎてしまい、2、3点シュートを高い確率で決めるキングスに、伸び伸びとしたプレーをさせてしまった。この負けは簡単に受け入れられないが、シーズンが続く中でこの敗戦を良かったというものにしたい。

◆闘志前面 序盤で試合掌握

キングス―北海道 第3Q ディフェンスをかわしシュートを放つ岸本隆一=5日、宜野湾市立体育館(内原優士撮影)

 惨敗した4日と打って変わり、序盤から試合を掌握し続け、キングスが大勝した。波はあるものの、各Qで出場選手がエナジーを全開にすれば勝てるチームだということを証明した。主将の岸本隆一は「リングにアタックし続け、守備では抜かれてもプレスをかけ続ける。昨日より一歩前へ出る気持ちで臨みました」と勝因となったメンタル面の重要性を語った。

 試合は岸本の3点弾から始まった。4日に北海道にやられたインサイドを抑え、素早く速攻に切り替え、ハッサン・マーティンのダンクや調子の良さからスタメンに起用された田代直希の3点弾で一気に引き離した。

 素早いパス回しで内を崩し、対応されれば外からリングを射抜いて前半で56―31と圧倒した。

 後半、奮起した北海道の前にキングスの流れも停滞しかけたが、右膝の負傷が癒え半月ぶりに出場した渡辺竜之佑が「惨敗した悔しさをやり返そうと思った」と、リバウンドや自陣から駆け上がる「1人速攻」など縦横無尽に暴れ回り、流れを引き戻した。渡辺のハッスルプレーに佐々宜央HCも「野獣のよう。(調子が)良かったら野放しにする選手」と笑顔で称賛した。

 勝利を呼び寄せたのは、昨日の反省を生かせる選手の起用にもあった。佐々HCは「試合前から戦う人間を出そうと決めていた」「キングスには戦う選手が常にいるという状況をつくり、そういう選手をファンに見せたい」と強調。各選手に闘志を出した姿勢の継続を注文した。(嘉陽拓也)