情報 広げる前に深呼吸 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[32]


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モバイルプリンス

 

12日ほど前から、こんなデマがLINEやツイッターで広まっているんだ。

「路上で乾燥海産物を勧めてくる人がいて、においをかいだら麻酔で意識を失ってしまう。気を失った人の臓器売買する犯罪が中国からやってきている。みんなに教えてください」。

こんな話を聞いたらショックを受けるけど、これは事実でも何でもない、作り話のうそなんだ。

 


イラスト・小谷茶(コタニティー)

そのデマ、私のところにも来ました。
 

モバイルプリンス

 

このデマを信じなくても「警戒するにこしたことはない」ということで広めた人も多いと思う。

「たとえデマだったとしても、広めたって誰にも迷惑はかからない」と思った人もいるかもしれない。

でも、デマは広げちゃダメなんだ。

 

プリンスさんが、よく言ってますよね。
 

モバイルプリンス

 

デマが大量に発生するのは、大災害が起きてみんながパニックになる時が多いんだ。

2011年の東日本大震災も、16年の熊本地震も、ネットからたくさんのデマが出てきて混乱が起きた。

「動物園からライオンが逃げた」というデマを流して逮捕される人も出た。

大災害の時は、情報一つで人の命が左右される。だからデマを流してはいけないんだ。

私たちも普段から情報が正しいかどうかの判断をしておかないと、震災の時に大変なことになる。

 

そうですね。

避難訓練と一緒で、普段から情報を取り込む時に意識する必要がありますね。

モバイルプリンス

 

さらに、こうしたデマの中で「怪しい」「犯人」とされた人が危険な目にあうことがある。

昨年、クリスマス前に「北谷でテロが計画されている」と外国人男性の顔写真が犯人として広がるデマもあった。

写真は沖縄市に住んでいるアフガニスタン出身の中古車販売をしている男性で、テロとは無関係だった。

たくさんの人が「こいつ許せない!」と怒っていたので、男性はとても怖い思いをしたんだ。

 

確かに怖いですね。
 

モバイルプリンス

 

今回も「中国から来た犯罪です」と中国の人が怪しまれるデマになっていた。

こうしたデマの積み重ねが「外国人=怖い、野蛮な人」という偏見をうむことになるのは絶対によくない。

 

そうですね。
 

モバイルプリンス

 

悪ふざけや、不安なことに自分たちが納得、安心したいから、うその情報を流すのかもしれない。

でも、だからといって無実の人を危険な目にあわせていいわけがない。

個人が手軽に情報を拡散できる今だからこそ、情報を広げる前に深呼吸して、冷静に考えたいね。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/