「100センチの視界から」講演 伊是名さん、「生きやすい社会」語り合う


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
骨形成不全症のため電動車いすで生活しながらの子育てについて語る伊是名夏子さん

 琉球新報社で連載中の「100cmの視界から あまはいくまはい」を執筆している、コラムニストの伊是名夏子さん(35)を招いた対話イベント「一人一人違って当たり前 伊是名夏子さんとゆんたく会」が11日、那覇市天久の琉球新報社で開かれた。子育て中の母親ら35人が参加し、骨形成不全症のため電動車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘している伊是名さんを囲んで、子育てや障がいとの向き合い方や、多様性とは何かについて語り合った。

 神奈川県在住の伊是名さんは、ヘルパー制度を1日10時間利用しながら、家事や育児をこなしている。自分の“取り扱い説明書”を作り、どういう風に抱っこしてほしいかや、得意なことを伝えた経験などから「私は助けられることが多いが、人の役にも立ちたい。甘え上手になりながら、できることは率先してやるようにしている」と語り、自分の強みを自信につなげることの大事さを強調した。

 「障がいのある子のことを周囲にどう説明したらいいか」という参加者からの質問に対しては「伝えたくない時は、無理して伝えなくてもいい」と前置きした上で「伝えるならありのままを伝えていいと思う。勇気もいるが、そうすることで人を動かせる」と語った。

 参加者は「子育て」「障がい」「多様性」のテーマでグループワークを行い、誰もが生きやすい社会とは何かについて、語り合った。