輸入家具店が運送業 イエローボックスの「C&D」 自社配送でコスト減


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一般貨物自動車運送事業に参入したC&Dのトラックとドライバー=7日、うるま市州崎

 沖縄市内で輸入家具販売店「イエローボックス」を展開するC&D(うるま市、上地力社長)が、11月から運送事業に参入した。那覇港に届いた家具を中城湾港の後背地である自社倉庫まで陸送する業務を自前で行ってきたが、輸送手段の確保という同様の課題がある周辺企業の荷物も集めて本島中部を拠点とした物流を生み出そうと、家具店自ら一般貨物自動車運送事業の許可を受けた。

 C&Dは年間300TEU(1TEU=20フィートコンテナ1本換算)程の米国製家具を船で輸入している。多い時は週10個のコンテナを、那覇港からうるま市州崎の自社倉庫まで運ぶ。

 当初は物流企業に陸送を委託していたが、物流費用の高まりを受けて、大型コンテナをけん引できるトラック5台を自社で導入。配送ドライバーを育成して本島内の配送を自前で行うことで、年間2千万円近い経費の削減になった。

 C&D物流営業マネジャーの上間政知さんは「周辺の企業にとっても那覇までの陸送コストはネックになっている。自社の家具以外の荷物も扱うことでトラックの稼働率も上がる」と運送事業の意義を語る。

 1日付で一般貨物自動車運送事業の許可を受け、自社以外の貨物も有償で運送できるようになった。家具の輸送で経験を積んだドライバーが荷主の貨物を引き受ける。

 上間さんは「那覇港での陸揚げが集中して手狭となる中、物の流れが生まれることで中城湾港にも貨物の分散が進む。中城湾港を活性化させて中部を盛り上げたい」と強調した。