11、12の両日、中城村で開かれた中城文化まつりの会場に「中城村農業青年クラブ」が出店した。村の特産品である島ニンジンやトマト、バナナなど12品目が並び、訪れた客に農産物などのおいしい食べ方を伝える。米須清英さん(30)は「和気あいあいとやっていますよ」と笑顔を見せる。村農業青年クラブにとっては14年ぶりの活動だ。
他の自治体と同様に、村でも農家の高齢化が課題となっている。農林水産省が5年ごとに調査している「農業センサス」によると、39歳以下の農家は1995年は87人だったが、2005年は26人、15年には16人に減少している。総数自体も減少する中で、新規就農者が少ないことも課題となっている。村は原則45歳以下を対象にした新規就農者への給付金事業を展開しているが、利用者も少なく、担い手育成に頭を悩ませている。
青年クラブも会員の高齢化で03年から活動を休止していたが、今年9月に活動を再開した。栗林飛馬会長(30)らが、村の農業を盛り上げていこうと村内に畑を持つ若い農業者に参加を呼び掛けた。栗林会長は「中部地区の農業青年クラブにも入っており、若い世代同士で、刺激し合うことができる。中城でも同じような活動ができる場所をつくりたかった」と語る。月に1度は定例会を開き情報交換を行っている。今後は、担い手の育成やクラブとして食育活動にも取り組む考えだ。栗林会長は「新しい担い手を育成する器になれれば」と、青年クラブの活性化に意気込む。
村農林水産課の比嘉義人課長は「他の若い人たちが『農業をやってみようかな』と思うきっかけになる」と、青年クラブ復活に期待を寄せた。
(安富智希)