伊平屋漁協不正受給 村、報告要求を1年放置 県は職員派遣検討


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 伊平屋村漁業協同組合が離島漁業再生支援交付金を不正に受け取っていた問題で伊平屋村と同漁協は、沖縄県農林水産部が2016年8月から補助金の使途状況に関する報告を求めているにもかかわらず、1年以上にわたり報告せず放置していたことが分かった。県は15日、伊平屋村の伊礼幸雄村長と新垣雅士組合長らを県庁に呼び、報告書の早急な提出を指示した上で、「進まない業務があれば県の職員を派遣して精査する」とし、県職員の派遣も辞さない考えを示した。

 伊平屋村漁協は偽造した領収書を添付し未購入の物品を購入したと虚偽の報告をし、不正に補助金を受給していた。12~16年度に交付された補助金約3500万円のうち、目的外使用や使途不明金は少なくとも約680万円に上る。15年度に伊平屋村が実施した内部監査で、補助金が交付されたパヤオ(浮魚礁)が設置されていないことが分かり、16年8月には村が県に監査結果を伝えていた。

 県農林水産部は15日に村長と現組合長を呼んで監査結果報告後の状況をただしたほか、不適切に使用した補助金の金額や内容を精査し、早急に報告するよう指導した。

 面談後、伊礼村長は「不適切な部分はあった。村の責任を感じている」とし、「(漁協)組合の前の役員が制度を理解していなかった」と強調した。補助金の返還については「村民の税金を使って返還するのはおかしい。村の福祉や教育の予算を削って返還するのはあり得ない。組合の理事や監事が認めたわけだから、理事や監事に負担してもらうべきだ」との認識を示した。

 県農林水産部の仲村剛農漁村基盤統括監は「昨日今日の話ではなく、1年以上も報告が上がってこない。一日でも早く県へ報告を求めている」と話した。一方で、領収書の偽造の有無といった不正行為については「村の報告がないので何も判断できない」と述べるにとどめた。