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―昨日、沖縄のニコルソン四軍調整官が水陸機動団の一部は沖縄に配備されると認識を示しました。その上で、キャンプ・ハンセンかキャンプ・シュワブに配備されれば、米軍と共に活動できると期待感を示されたが、将来的に水陸機動団を沖縄に配備する考えはありますか。
「陸上自衛隊は島しょ防衛において、万が一島しょを占領された場合、速やかに上陸奪還確保するために、本格的な水陸両用作戦を行う水陸機動団を現行の中期防におきまして、平成29年度(2017年度)末に新編し、2コの水陸機動連隊などからなる約2100人規模で発足することにしております。
ニコルソン中将の発言については詳細を承知をしておりません。いずれにしても水陸機動団の3コ目連隊についてはそれを設置するか否かも含め、今の所まだ決まっておりません」
―関連して伺います。島しょ防衛の戦略上、水陸機動団を沖縄に配備することの有用性についてはどう考えますか。
「水陸機動団については今、長崎県の相の浦で新編し、そして2個連隊を新編することは決まっております。3コ目についてはまだ決まっておりません。今のところ計画でありますのは長崎県の相の浦ということになります」
―昨日のニコルソン中将の会見だと、沖縄に水陸機動団を置くことについて、聞いているという海兵隊の通訳が言っていますが、防衛省のほうから海兵隊にそういう事実を伝えたことはありませんか。
「まあ、私が大臣でありますので、少なくとも私が承知している限り、まだ2コ目の連隊しか議論しておりません。3コ目はまだ何ら決まってません」
―ニコルソン中将に関連して。今、水陸機動連隊は現在2コ、3つ目をつくるか検討中ということだが、島しょ防衛の観点から防衛大臣は沖縄に水陸機動連隊を置くことの有用性についてはどう考えていますか。
「繰り返しになりますが、今、2個連隊を中期防の中でつくるということですので、まずそれがしっかりした運用が行われ、練度が高くなる。そのことから次のステップがあると思いますので、現時点ではまず相の浦の水陸機動団を有用なものにしていくのが初めの目標だと思います」
―水陸機動団に関連して沖縄の米軍基地の共同使用について伺いたい。キャンプ・ハンセンでは共同使用が進んでいるが、キャンプ・シュワブや他の米軍基地を共同使用することは考えてますか。
「本年8月、日米の2プラス2(日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会)の共同発表におきましても施設の共同使用に関して閣僚は相互運用性及び抑止力を強化し、地元とのより強い関係を構築すると共に日本の南西諸島におけるものも含め自衛隊の体制を強化するために日米両政府が共同使用を促進することを再確認ということになっています。
私どもとしては抑止力の向上、また地元との関係の構築でこの共同使用という全体としての考えは必要だと思っていますが、個別的にどこをそうするかということはまだ決まっていません」
―キャンプ・シュワブについてはどうですか。
「今のところ、私どもとしては全体としての共同使用、キャンプ・シュワブとは限らず、そういうことは必要だと思っていますが、具体的なことはまだ決まっておりません」
―ニコルソン中将が昨日、平和と地域の安定を守るには昼夜を問わず、厳しい訓練を行い、即応体制を維持することが重要だとして、訓練で発生する基地周辺の騒音はやむを得ないという認識を示しました。地元への配慮を求めている大臣としてはニコルソン氏の発言はどのように考えますか。
「具体的な発言については、報道は承知してますが、具体的な発言について私どもとしては分かりませんので、個別の発言についてお答えは差し控えたいと思いますが、全体的に安全保障環境が厳しい中、米軍のさまざまな訓練が精力的に行われているということはあるんだと思っております。これはわが国のみならず、東アジアの安定につながることなんだと思います。
他方、やはり地域の皆さまの了解と言うことが大変重要でありますし、特に航空機騒音というのは周辺住民の方々にとって深刻な問題であり、その軽減というのは重要な課題と私ども理解しておりますので、累次の機会に米側にはこのことに関しては配慮するようにお話ししておりますし、昨日のハリス司令官との会談におきましても私の方から地域住民の皆さんの負担にしっかり答えて頂きたいというお話しをさせていただいた」
―別件ですが、沖縄県が環境アセスメントの条例が準備されているようですが、これが施行された場合の辺野古移設や自衛隊配備にどのような影響があるかということと防衛省の対応は。
「今、沖縄県として環境アセスの改正について検討進めているということは承知しておりますし、確かその変更について沖縄防衛局に照会がきたということも報告を受けております。
ただ、具体的な内容について、これが施行された場合の影響というのは予断をもってお答えすることは差し控えさせて頂きたいですが、その上でお話しすれば普天間飛行場の辺野古移設については同飛行場の一日も早い返還を実現すべく、引き続き作業の安全に十分留意した上で、自然環境や住民の生活環境に最大限配慮して、辺野古移設に向けた工事を進めていく考えには変わりはありません。
また、南西地域においての自衛隊配備の空白地域を早急に解決するという観点で、私どもとしては今後とも南西地域における陸上自衛隊の配備を進めたいと思います」
―陸上自衛隊の宮古島配備計画で20日にも千代田カントリークラブの跡地で造成工事との報道がありますが、事実関係と改めて宮古島に配備する意義をお願いします。
「宮古島への陸上自衛隊部隊配備に伴い旧千代田カントリークラブに計画している新駐屯地建設工事については10月30日から現場の仮囲いや降雨時の濁水流出防止のための土のう設置工事を始めたところであります。造成工事については土のう設置等が完了次第、着手する予定であります。
作業が順調に進めば11月20日以降、着手可能と考えており、平成30年(2018年)6月末までに完了する予定となっております。
宮古島への陸上部隊配備は南西地域における自衛隊配備の空白状況の早期解消に向けて極めて重要と考えており、防衛省としては引き続き、地元住民の皆さまのご理解、ご協力頂けるよう丁寧な説明に努め、南西地域における防衛体制の充実に向けて宮古島への陸自部隊配備を着実に進めていきたいと思っております」(おわり)