キングス耐え4連勝 名古屋Dに67―64 Bリーグ第16戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、10勝5敗)は18日、沖縄市体育館で名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(中地区2位、6勝9敗)と対戦し、67―64で勝利した。最終第4クオーター(Q)は一時同点に追い付かれたが、競り勝った。キングスは4連勝となった。前半から互いに重圧ある守備で思うように攻撃の形をつくれない中、キングスは第2Qで津山尚大が3点弾を外さず4発12点で勢い付ける。古巣を相手にした石崎巧も冷静なパス回しでアシストにつなげ、守備でも好プレーを見せた。シュートやフリースローなど全体的な決定力に課題を残したが、アグレッシブさが定番になった田代直希だけでなく、日本代表の古川孝敏もオフボールから積極的に好機を演出し、粘りある全員守備で名古屋を振り切った。次戦は、19日午後6時5分から同体育館で名古屋Dとホーム2戦目を行う。(観客3632人)

キングス 11勝5敗
 67―64(14―16,19―14,19―14,15―20)
名古屋D 6勝10敗

 【評】序盤からキングス、名古屋の両チームともに粘りの守備で互角の戦いだった。第2Qから津山尚大の確率の高い3点弾や石崎巧のパスワークなどで内外で攻めにつなげ、第3Qを終わってキングスが8点をリードした。第4Qではミスからの失点で一時追い付かれたが、古川孝敏らの徹底守備で名古屋を振り切った。

◆反省の多い試合
 佐々宜央HC(キングス)の話 守備で我慢しきれたことは良いが、ターンオーバーが多く、ゴール下やフリースローが決まらないなどバスケの負けパターンのような試合だった。勝てたことが薬になるというより、反省の多い試合だった。

◆良い攻撃できず
 梶山信吾HC(名古屋)の話 こういう(接戦の)展開になるのは予想していたが、琉球の堅い守備の前に良い攻撃ができず、我慢の時間が続いた。最終的には琉球の守備に一歩及ばず僅差のゲームとなった。明日は修正し、名古屋のバスケをしたい。

◆泥臭い守備からリズム

第2Q、シュートを打つキングスの古川孝敏=18日、沖縄市体育館(花城太撮影)

 キングスも名古屋も互いに理想的な攻めができない時間帯が続いた試合の中で、キングスは古川孝敏らの堅い守備で接戦を乗り切った。シュートもフリースローも決定力が低く、大事な場面ではターンオーバーするなど「負けパターンの試合」(佐々宜央HC)ながら、岸本隆一主将も「うまくいかない選手をベンチスタートのメンバーが補えたことが次につながる」とチームの成果を強調した。

 序盤は激しくプレスを掛ける守備に、キングスは岸本隆一や二ノ宮康平らPGが柔軟に対応しきれない。ただ、名古屋にも思うように攻めさせず互角の展開が続いた。第2Qは、外からの決定力がある相手外国人2人をうまく抑えた。津山尚大はルーズボールに積極的食らい付く泥臭さに加え、「佐々HCから外してもシュートを打ち続けろと言われてました」と思い切りの良い3点弾4発で12点をたたき出した。古巣を相手にした石崎巧も守備を引きつけて味方の好機をつくり、互角の試合の中で徐々にリズムをつくり出した。

 後半は、古川が守備で素早いヘルプと激しいマークで相手外国人選手の勢いを止めた。「ハードワーカー」ぶりを発揮した古川は「自分らしさを試合の流れで出していければ良いと思った」と競り勝った試合に一定の手応えを感じていた。(嘉陽拓也)