宮古島市陸自工事 生活環境の悪化懸念 住民説明会、中止の要求も


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陸上自衛隊配備に関する質疑応答が活発に飛び交う住民説明会=19日、宮古島市上野の野原公民館

 【宮古島】陸上自衛隊駐屯地建設工事が20日から宮古島市上野野原の「千代田カントリークラブ」で本格的に始まるのを前に、沖縄防衛局は19日、近隣の千代田部落会(下地吉夫会長)と野原部落会(平良信男会長)に対しそれぞれ住民説明会を開催した。住民らは工事に伴う生活環境の悪化を懸念し、市に対する許可申請に不備があるとして工事中止を求めた。しかし防衛局は20日午前9時、着工式を実施する。

 沖縄防衛局によると、建築工事が行われる18年4~8月ごろの期間、工事現場では1日最大200台の大型トラックが往来する。また「千代田カントリ―」周辺には、県外からの作業員が宿泊するために、最大400人規模の仮設住宅が建設される。

 野原部落会での説明会では、防衛局側は県からは建築確認を得たが、市からはまだ一部許認可を得ていないと説明。住民から「今の時点では工事は止めるべきだ」と声が上がった。

 千代田部落会での説明会は非公開だった。千代田部落会の根間源徳さん(65)によると、騒音や土ぼこりなどの排出抑制を求める声などがあった。根間さんは「千代田はわずか約30世帯で半数が高齢者だ。反対したいが、どう対応していいか分からない」と肩を落とした。

 防衛省は新編される宮古警備隊(仮称)を配備するため、19年2月末までに駐屯地を完成させる計画だ。準備工事は10月30日に始まった。