陸自駐屯地の本格工事に着手 宮古島市 反対派住民は抗議


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着工式の後、工事を始めた重機=20日午前9時45分、宮古島市上野

 【宮古島】宮古島市への陸上自衛隊配備計画で、沖縄防衛局は20日午前、市上野野原の「千代田カントリークラブ」で駐屯地建設に向けた敷地造成工事に着手した。

 防衛局は10月30日から「準備工事」を始めていたが、20日から本格的な工事に入るとしている。

 同日午前9時から工事の着工式が開催され、その後に重機が稼働した。配備に反対する市民ら約20人はプラカードを掲げながら「工事をやめろ」などと声を上げた。

 同市への陸自配備計画を巡っては、下地敏彦市長が2016年の市議会で陸自配備の受け入れを認めた。当初は市平良西原の「大福牧場」周辺に駐屯地が建設される計画だったが、下地市長が反対したため「千代田―」に建設されることになった。

陸上自衛隊駐屯地建設に向けた着工式に抗議する市民ら=20日9時21分、宮古島市上野

 近隣の野原部落会と千代田部落会は反対の意思を示している。両部落会の関係者は沖縄防衛局から着工式の出席を打診されたが、拒否した。

 防衛省は安全保障環境が厳しさを増しているとして、南西諸島地域へ陸自駐屯地を建設する計画だ。新編される宮古警備隊(仮称)を2019年3月に配備するため、19年2月末までに「千代田―」に駐屯地を完成させる予定になっている。

 最終的には地対艦・地対空ミサイル部隊も含めて700~800人規模の人員が配置される計画だ。

 宮古島陸自配備計画について、18年度概算要求で千代田への駐屯地整備に93億2千万円、宿舎整備に49億8千万円、場所未定の弾薬庫整備費に117億円を計上している。弾薬庫は市城辺の保良鉱山が有力視されている。【琉球新報電子版】