又吉亮文、香川が2位指名 四国Lドラフト 中日・又吉投手の弟


この記事を書いた人 平良 正
大学最後の全国大会となった明治神宮大会。慶応大戦で8回に登板し、無失点に抑えた環太平洋大の又吉亮文(チーム提供)

 野球の独立リーグ、四国アイランドリーグplusの2018年度新入団ドラフト会議が21日までにあり、岡山・環太平洋大学の22歳投手、又吉亮文(あきふみ、浦添中-浦添高)が香川から2位指名を受けた。正式な入団はこれからだが、「まずは、与えられた役割を確実にこなせる投手を目指す。そこから初めてその先が見えてくる」と語り、同リーグでの新たな一歩へ強い決意を示している。174センチ、70キロ、右投げ左打ち。プロ野球中日の投手、又吉克樹は5歳上の兄。

 又吉は中学から野球を始め、当初は外野手で、高校から投手に転向した。しかし、いずれも控え選手。目立った成績は残せなかった。「大学入学時も、ストレートは120キロに届くかどうかの、特徴のない投手だった」と振り返る。

 変化は大学2年の練習時だった。野村昭彦監督から、腰の回転が悪く、ボールに力が伝わっていないと指摘を受けた。上半身と下半身のバランスの改善をし、フォームを一から見直した。「それまでは、ただがむしゃらに練習していた。トレーナーの意見も聞き、投手について勉強し直した」

 腰の回転などを意識していく中で、自然にフォームは上手投げから、スリークオーターに変わった。このころから体重も増え、60キロ程度と細身だった体は少しずつ大きくなってきた。結果、直球の最速は140キロまで伸びた。

 3年からはセットアッパーを任される機会が増え、チームの勝利にも貢献。昨年、今年と2年連続で明治神宮野球大会に出場し、全国の強打者を相手にマウンドを経験した。

 アジアチャンピオンシップで侍ジャパンのメンバーとなった兄とは環太平洋大-香川と同じ道を歩む。注目も集まるが「兄は雲の上のような存在。自分はこれから頑張らないといけない選手だ」と気負いはない。

 大学最後の公式戦となった明治神宮大会では、初戦(2回戦)の慶応戦は八回に登板し、1回無失点だったが、準決勝の星槎道都大戦は2点ビハインドの六回無死三塁から登板。1死を取ったが、3者連続四死球でマウンドを降りた。「制球がばらばらだった。もう二度とあの時の悔しさは味わいたくない。課題ははっきり分かったので、今後しっかり修正していく」と歯がゆい結果となったマウンドを今後の糧にする。

 プロ野球西武から5位指名を受けた與座海人(沖縄尚学高-岐阜経済大)は中学の同級生だ。「(與座は)中学の時からエースだったが、ここまできたら、しっかり意識し、日々励んでいく」と負けん気の強さも見せる。

 野球を始めたのが遅く、これまで中央球界ではほとんど無名の投手だったが、これからの自身の可能性を感じているのも確かだ。「自分を信じないと先に進めない」。プロ野球で活躍する夢を胸に秘め、信頼される投手へ向けた又吉の挑戦が始まる。