中小の生産性向上へ 沖縄県内20団体 「働き方改革」運動発足


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働き方改革・生産性向上推進運動を発足させた各団体の代表者ら=22日、那覇市のザ・ナハテラス

 国や県、経済団体、労働組合、士業団体など県内20団体が発起人となった「働き方改革・生産性向上推進運動」の発足式が22日、那覇市のザ・ナハテラスで開かれた。人手不足や低い県民所得といった沖縄が抱える課題の解決に向け、発起団体の会員ら総勢2千人が連携し、働き方の見直しを通じた中小・小規模事業者の生産性向上を支援していくことを確認した。

 運動の目標として、全国平均の7割にとどまる沖縄の労働生産性を毎年3%以上伸ばしていくと設定。1週間の実労働時間が60時間以上の人の割合を、現在の5・8%から2020年までに5%以下に引き下げることを掲げた。

 目標の達成に向けた取り組みでは、働き方改革・生産性向上を企業に導入するためのマニュアルや事例集を作成し、働き方見直しの手だてを持たない小規模事業者の手助けとする。また、生産性向上の鍵となるITの利活用に向けた相談窓口の強化や、セミナーを通じたIT支援人材の育成を図る。

 発足式で沖縄総合事務局の能登靖局長は「景気や雇用情勢が好転している今は、政労使が一体となって働き方改革に取り組む絶好の機会だ。さまざまな施策を活用しながら、中小・小規模事業者へ草の根の支援をしていく」と語った。

 県内企業の働き方改革の事例発表では、イオン琉球の上原美佐緒人事企画プロジェクトチームリーダーが登壇し、社内に適正労働推進小委員会を設置して長時間労働の撲滅を図る取り組みを説明した。農産物販売では必要以上の在庫を削減する適正発注を進めたことで、値引き廃棄作業が減少するなど生産性の改善につながったと報告した。