黒糖で気分すっきり ストレス減 効果確認


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沖縄黒糖のストレス低減効果を研究する和田浩二教授(左)と高橋誠博士=24日、西原町の琉球大学

 琉球大農学部の和田浩二教授らの研究グループはこのほど、沖縄黒糖がストレスを低減する成分を含んでいることを明らかにした。甘い物にヒトは幸福感を抱くとされるが、今回の研究では黒糖に含まれる糖類以外の成分にストレス低減効果があることを確認した。ストレスを与える前に黒糖を食べることで、ストレスが低減されることが分かった。ヒトでは5グラム程度の黒糖の摂取で効果が認められた。

 黒糖は約90%の糖類(ショ糖)以外に、4%程度の水分やミネラル、微量のポリフェノールやアミノ酸などの非糖類成分を含んでいる。
 今回の研究では、ヒトに計算式を解くストレスを与えた。その前後に黒糖を食べた結果、ストレス負荷前に黒糖を食べると、ストレスを感じた際に上昇する物質の数値が黒糖を食べない場合より低かった。
 マウス実験ではストレス負荷前に黒糖、ショ糖(黒糖の糖類成分のみ)、非糖類成分(ショ糖を除いた黒糖の成分)の3種類を与えた。黒糖自体と非糖類成分で同程度の効果を示し、非糖類成分にストレス低減の効果があることを突き止めた。ショ糖では効果は確認されなかった。
 和田教授は「沖縄黒糖を食生活にうまく取り入れ、味や香りをおいしく味わってほしい」と話している。農学部技術職員の高橋誠博士は「会議など緊張感が高まる前に、黒糖をひと口食べてみて」と勧めた。今後はストレスを低減する物質の特定に取り組む。(大橋弘基)