「変わらぬ基地 想像を」 本紙記者 修学旅行生に講話


社会
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伊江島の戦中、戦後について話す阪口彩子記者=24日、那覇市のパシフィックホテル沖縄

 埼玉県立川越西高校2年生318人は民泊で訪れる伊江島の歴史や現状を学ぼうと24日、那覇市内のホテルで琉球新報北部報道部の阪口彩子記者から話を聞いた。阪口記者は沖縄戦から続く基地問題に触れ「72年前と変わらない状況が今も続いている。沖縄の人がどんな気持ちで暮らしているのか、考えてみて」と語りかけた。

 同校は修学旅行で24日から3泊4日の日程で沖縄を訪れており、25、26日は伊江島に滞在する。

 阪口記者は伊江島が沖縄戦で大きな被害を受け「沖縄戦の縮図」と言われていることや、米軍基地の成り立ちについて説明。大きな音を響かせながら低空で飛行する米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの映像を見せ、昨年12月に発生した名護市安部のオスプレイ墜落事故の状況も語った。

 初めて聞くオスプレイの音に生徒たちは衝撃を受けた様子。中島芽衣さん(17)は「沖縄戦の時に大田実少将が『県民に最大の配慮を』と言い残したと聞いた。それなのに、結局沖縄県民に基地を押し付けてしまっている。基地をどこに持って行けばいいのか解決は難しい。複雑な気持ち」と考え込んでいた。