佐久川、女子短距離2冠 秋季沖縄県民体育大会


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 第69回県民体育大会秋季大会は26日、石垣市などで各競技が行われた。陸上は同市運動公園陸上競技場で行われ、女子200メートルの佐久川まりあ(浦添市)が25秒46で頂点に立ち、100メートルと合わせて2冠を達成した。男子5000メートルの宮平健太郎(国頭郡)が14分57秒94で優勝し、1500メートルと2冠となった。男子60代100メートルは森正也(沖縄市)が12秒82で23年ぶりに県新記録を樹立した。重量挙げは宮古島市の宮古総合実業高校で行い、重量級で力を発揮した島尻郡が優勝した。名護市の21世紀の森ラグビー場で行ったラグビー決勝は名護市が国頭郡に15―12で競り勝ち栄冠をつかんだ。石垣市の大浜中学校体育館で行った剣道は沖縄市が中頭郡を制し、優勝した。

◆「最後」力出し切る

 

女子200メートルで25秒46を記録し頂点に立った浦添の佐久川まりあ=26日、石垣市中央運動公園陸上競技場(内原優士撮影)

 今大会が学生最後の大会となる琉球大学4年の佐久川まりあ(浦添市)。100メートルは12秒48で初優勝し、200メートルは自己ベストを更新する25秒46で2連覇を飾った。短距離2冠を達成し、「全部出し切った。学生最後の大会で初めて2冠を獲得できてうれしい」と喜びを爆発させた。

 100メートルと200メートル決勝は、琉大同士でトップを競った。チームメートの山本菜月(中頭郡)、石嶺ゆり(島尻郡)は練習でも勝ったり負けたりを繰り返し、実力は拮抗(きっこう)していた。

 100メートル決勝はスタートから中盤まで、山本、石嶺と横一線に並ぶ白熱した展開に。400メートルを得意とする佐久川の方が、終盤にスピードを加速し、わずかにライバルに差をつけて1位でゴールした。

 佐久川は沖縄カトリック高校時代から県内を制し、県外の大会にも出場してきた実力者。だが、来春の卒業後は栄養士の仕事をしながら、管理栄養士の資格取得のため勉学をまず第一に励むという。

 県内の大会には出場していく予定だが、陸上中心だった生活は変わり、練習環境や大会への取り組み方も変化する。「(十分な練習環境で臨めるのは)今大会が最後。ちょっと寂しい」。複雑な胸の内も明かすが、「悔いはない」と満足そうな表情も浮かべながら、自身に言い聞かせるような言葉で締めくくった。(喜屋武研伍)