「静かな集落混乱させるな」 奥区民が港使用中止求め防衛局に抗議 区長「区の存亡に関わる」


この記事を書いた人 Avatar photo 宮城 久緒

 沖縄防衛局による名護市辺野古の新基地建設の埋め立て工事に関し、国頭村の奥港からの石材海上搬送を受けて奥区の糸満盛也区長ら役員3人が28日、沖縄防衛局に御園只士調達部次長を訪ねて抗議決議文を手渡した。

 区は23日に開いた臨時総会で、全会一致で抗議決議を可決した。決議文では「区民の総意を尊重した早急な対応と判断を求める」として、新基地建設に関連し、奥港の使用中止を求めている。

 御園次長は「奥港の使用は、工事受注者が県に使用許可の申請をし、関係法令に基づいた審査の後、許可を頂いた。局としては、理解いただけるよう説明をしていく」と話した。

 奥区役員の玉城壮さん(75)は「自分が犠牲になり車に飛び込んだら工事を止められるのか、という区民もいた。静かな集落を混乱させてまで(港の利用をすること)は絶対に許せない。区民としては反対を貫く」と抗議した。

 糸満区長は抗議後、取材に対し「(奥港の使用は)区の存亡に関わる。若者を呼ぼうと世界自然遺産登録を目指す中、自然への負担など影響が大きく、過疎化に拍車がかかる」と話し、奥港の使用をしないようあらためて求めた。

 区は午後、奥港使用を認めた県港湾課を訪ね、岸壁使用許可の取り消しを求めて抗議する。【琉球新報電子版】

沖縄防衛局に御園只士調達部次長(右)に抗議文を手渡す奥区の糸満盛也区長=28日午前10時5分、沖縄防衛局