Q.失恋から立ち直るには?
今日の質問は、
「好きな人には付き合っている人がいます。でも忘れようと思っても忘れられません。どうすればいいですか?」
「4年間大好きだった彼女と別れました。死ぬほどつらいです。立ち直り方が知りたいです」
です。中学3年生からです。
A.自然な感情、聴いてもらおう
そうだよね。好きになってから付き合っている人がいることを知ることもあるし、付き合っている人がいるからダメだと思うことで、余計好きになってしまうこともあるよね。
本当に恋する気持ちって、やっかいです。お互い想い合っていたとしても気持ちが変わったり、引っ越しとか環境が変わったりして別れることもあります。仕方のないことと分かっていても、つらいよね。
この恋は両思いにならないと諦めて立ち直る、別れを受け入れて立ち直る、についてですが、人がつらい出来事から回復していく過程は共通だということが分かっています。
1.ショックを受ける。
2.否認。
否認とは「これはきっと夢だ」「相手の言うことは本心ではなく、うそをついているんだ」と思うことです。
3.怒り。
相手や運命などに対する腹立たしい気持ちが湧いてきます。これは、起こったことが夢ではなく、現実なんだと受け入れたからこそ出てくる気持ちです。
4.落ち込み。
怒っても現実は変わらないと受け入れたからこそ出てくる気持ちです。
これらの感情を経て起こったことを過去のものとして手放していくことができます。この過程をグリーフと呼びます。
人によって四つの段階を進むのに必要な時間は違うし、戻ってしまうこともあります。このときのつらさ、悲しみ、怒りなど大きな感情は自然に自分の中から湧いてくるもので、全て人生のエネルギーに変えていける力強いものです。決してマイナスではありません。
人にはもともと回復する力が備わっていますが、グリーフは誰かに寄り添ってもらうと良いと言われています(グリーフケア)。誰かに話を聴いてもらったり、一緒にいてくれる人を探してください。
徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。
心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。
新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。