県内公営住宅、保証人条件緩和の動き 6市町で収入表記削除


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 公営住宅の入居者のしおりに入居者の連帯保証人の条件として「年総収入200万以上」などと額を表記していた件で、県内の5市1町が、収入額の表記を削除または削除予定であることが29日までに分かった。那覇市は必要な連帯保証人を2人とする条例を1人に改正する案を那覇市議会12月定例会に提案するなど、県内自治体に条件を緩和する動きが広がっている。

 連帯保証人の条件として年総収入200万以上と表記していた市町村は3月時点で9市町村あった。そのうち、4月以降の新たな募集に合わせて収入額の表記を削除したのは豊見城市、宜野湾市、北谷町。那覇市は2018年1月募集時に削除予定で、糸満市は18年度の募集から削除を予定している。名護市は4月の募集で、年総収入100万以上との表記を削除した。

 宜野湾市は在住条件を削除した。那覇市では本島内在住者に限定していた条件を国内在住者まで拡大する方針。糸満市では市内在住者と表記した部分の削除を予定している。

 公営住宅の連帯保証人の条件について、年総収入額や在住条件などで、入居希望者が該当する連帯保証人を確保できず、公営住宅に申し込めなくなるとして、市民団体などから改定を求める声が上がっていた。行政側は「分かりやすくするため」として額を表記し「相談があれば柔軟に対応している」と説明していたが、特に総収入額を200万以上とする表記は「厳しい条件」と指摘されていた。那覇市議会は9月定例会で、改正を求める市民団体からの陳情を全会一致で可決した。

 市民団体の指摘や報道を受けて県は、7月に発行した県営住宅の入居のしおりから収入額の表記を削除し、必要な連帯保証人を2人から1人に変更した。県が対応したことから、各市町村でも改正が広がったとみられる。