戦争体験の次世代継承テーマの企画展始まる ひめゆり平和祈念資料館 


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企画展「戦争体験を未来につなぐ」のオープニングセレモニーでテープカットする(左から)島袋淑子館長、沖縄県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団の仲程昌徳理事長、普天間朝佳副館長=1日、糸満市伊原のひめゆり平和祈念資料館

 【糸満】ひめゆり平和祈念資料館(島袋淑子館長)の、戦争体験を次世代に伝える取り組みをテーマにした初の企画展「戦争体験を未来につなぐ―ヨーロッパ平和交流の旅・ひめゆりの次世代継承の現在」が1日、糸満市伊原の同資料館で始まった。

4月に職員が視察した世界各国の平和博物館に関する報告や、同資料館が模索してきた非体験者による継承方法などがパネルや資料で展示されている。2019年3月31日まで。

ヨーロッパの平和博物館の展示内容などを紹介するパネルを見る元ひめゆり学徒や来館者=1日、糸満市伊原のひめゆり平和祈念資料館

 元ひめゆり学徒らが参加したオープニングセレモニーで、資料館の島袋淑子館長は「戦争を知らない世代に伝えるにはどうすればいいか若い職員と一緒に考えてきた。ヨーロッパの戦争や沖縄戦をもう一度1人でも多く人が戦争は絶対にダメだと言えるようになってほしい」とあいさつした。

 企画展では、非体験者の職員が参加した第9回国際平和博物館会議の内容のほか、教育活動や多言語資料が充実した、四つの平和博物館での継承の工夫が紹介されている。

ひめゆり平和祈念資料館のこれまでの次世代継承の取り組みを展示したパネル=1日、糸満市伊原のひめゆり平和祈念資料館

 ひめゆり平和祈念資料館の取り組みとして、(1)体験者の証言員による継承の工夫(2)体験者と非体験者が一緒に考えた継承の取り組み(3)非体験者の説明員による継承の取り組み―などが紹介されている。
 来年1月28日には、海外の平和博物館を視察した職員によるギャラリートークも開かれる予定。【琉球新報電子版】