佐喜眞義肢が海外強化 現地での調整対応へ 最軽量関節装具


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関節装具を着けた人を観察する海外代理店の関係者ら=5日、金武町の佐喜眞義肢

 義肢装具の製作・販売を手掛ける佐喜眞義肢(沖縄県金武町、佐喜眞保社長)は5日、義肢の販売契約を結ぶ海外代理店の販売担当者ら10人を招き、同社が開発した世界最軽量という関節装具「CBブレース」をPRするワークショップを本社で開いた。同社は1月に台湾企業2社と販売契約を結び、5月には韓国企業とも契約した。輸送時間の長さなど海外市場独特の課題も解決しながら、海外進出を加速させる。

 佐喜眞義肢は現在、月間100個程度の装具を輸出しているが、数年内に倍の200個に増やすことを当面の目標に掲げる。

 先行展開する台湾では利用者の反応はいいものの、医師から「軽い義肢で重い体を支えられるのか」といった問い合わせがある。佐喜眞社長は「この軽さでこの剛性を保つ義肢は他にない」と強調した。

 輸送時間の長さも課題だ。装具は体に合わせて作る必要があるが、沖縄で製造して到着まで2週間程度かかる。調整が必要となると再び沖縄に送ることもあり時間短縮へのニーズが強い。

 佐喜眞義肢と台湾企業2社は義肢装具を大きく三つに分けて送り、現地で組み立てる体制の構築を進めている。佐喜眞社長は「台湾側技術者の水準を確認し、品質を確保しながら現地の需要に応えていきたい」と語る。

 台湾で義肢を販売する正全義肢の許舜雯マネジャーは「台湾で装具の調整ができるようになればより多くの患者の需要に応えられる」と期待した。韓国側代理店の成林交易の林成泰代表は「先行展開する台湾の話は参考になった。今後、病院や医師向けのPRを本格化させたい」と意気込んだ。