琉球新報社 
Ｑ．恋愛感情はみんな同じ？
今日の質問はいろんな学年の人からです。
誰かに恋する気持ちはどうして出てくるのですか？ 同性でも大丈夫ですか？（中学１年）
性欲って何であるんですか？（中学２年）
周りの人はみんな好きな人がいるのに私にはいないので恋バナにうまく入れません。この年で好きな人がいないのはおかしいですか？（小学６年）
恋愛に興味がなくても生きていけますか？（中学３年）
です。
Ａ．人と比べる必要はない
もともと、人を好きになること（恋愛感情）や性欲は、精子を卵子に届けて自分の子どもを残したいという気持ちから生まれたのだと思います。でも人間の性行動は、お互いをよく知りたい、一緒に楽しみたいなど人間関係を作る目的がとても大きく発達し、触れ合いの仕方も性器の結合も多様になっています。
同性を好きになる人の性行動は子どもを残すことにつながりませんが、２０人に１人から２人はいると言われています。これは人間の性が多様な発達をしているからです。
顔が一人一人違うように、恋愛感情が誰に向くかもさまざまです。異性に恋愛感情が向く人をヘテロセクシュアル、同性に恋愛感情が向く人をホモセクシュアル、異性にも同性にも恋愛感情が向く人をバイセクシュアルと呼びます。もちろんどの場合も大丈夫です。
今は恋愛がブームなので、恋をしないといけないと感じる人がいますがそれは間違いです。恋愛に関する心の成長がゆっくりな人もいるし、成長はしているけど、たまたま好きな人に出会っていないだけかもしれません。
また、好きという気持ちはもつけど性行為には興味がない人、性行為や恋愛に全く興味がない人もいます。これらの人はアセクシュアルと呼びます。呼び名が付いているということはたくさんいるということです。
恋愛が全てではありません。自分の興味があることで人生を豊かに送ることもできます。人と比べたり、違いを不安に思う必要はありませんよ。あなたはあなたでＯＫです。
徳永桂子（とくなが・けいこ） 思春期保健相談士。
心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。
新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート～中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう～中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。
