給食に刃の破片 沖縄市、児童吐き出す


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給食に混入していたスライサーの刃の一部(沖縄市教育委員会提供)

 【沖縄】沖縄市越来の給食センター第2調理場が11月20日に市内小学校に提供した給食に、調理器具のスライサーの欠けた刃の一部が混入していたことが8日、分かった。給食を口にした6年生の児童が違和感を感じて吐き出し、担任に報告した。児童にけがはない。県の手引では異物混入が疑われた場合、学校に連絡をして給食を止めることが定められているが、止めていなかった。義務付けられている県への報告もなかった。

 破損した刃は縦5ミリ、横9ミリほど。調理場の職員が配送後、野菜を切るためのスライサーを洗浄していた時に破損に気付いた。確認した当日に市教育委員会に報告、翌21日に担任が保護者に謝罪した。一方で、同調理場は市内の5小学校、3中学校に1日計5200食を提供しているが、他の保護者に説明、謝罪をしていない。

 市教委は8日、市議会の全員協議会で経緯を説明した。高江洲実指導部長は給食を止めなかったことについて「職員も欠けた刃がどこにいったか分からず、判断ができなかった」と釈明。県や桑江朝千夫市長に報告しなかったことについて、児童にけががなかったことなどを理由に挙げた。

 8日に調理場を視察した県保健体育課は「大きな事故なので、本来なら報告は上がってくるもの」と説明。給食を止めなかったことに対しては「食べるのをやめるべきだった」とした。

 8日の市議会の全員協議会では、同調理場で10月4日に食器洗い機の残さを受けるかごからネズミの死骸が見つかったほか、異物混入があった学校で12月5日、運んだ食器の間に体長1センチほどのゴキブリの死骸が挟まっていたことも報告された。いずれも県教委や保護者に報告していなかった。

 市教委は各案件について来週中にも県に報告書を提出し、同調理場が配給している全8校の保護者におわびの文書を送る。