「沖縄子どもの貧困白書」が増刷 〝沖縄モデル〟の対策を発信


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 かもがわ出版(京都市)は「沖縄子どもの貧困白書」=写真=を10月末に発刊した。都道府県で初めて独自に子ども貧困率の調査をし、対策を進める「沖縄モデル」を全国に発信する狙いがある。初版の2500部を約1カ月で完売し、現在2版を増刷中だ。大きな反響を受けて10日午後1時から沖縄大本館1階同窓開館で出版記念シンポジウム(「沖縄子どもの貧困白書」編集委員会主催)を開く。

 同書は、社会的養護を受けた当事者をはじめ、子どもや家族に関わる合計約40人が執筆した。官民の枠を超えて行政施策、学校や暮らしの現場、地域の動きなどを報告し、県内の「いま」を網羅した。沖縄大の加藤彰彦名誉教授、琉球大の上間陽子教授、沖縄女子短大の鎌田佐多子学長らが編集委員を務めた。

 編集者の三輪ほう子さんは「巻頭で困難を抱える県内の若者自身が記した『幸せに生きることは権利』との言葉は画期的。沖縄を見なければ日本は見えない」と力を込め、今後東京などでも同書を発信するイベントを企画しているという。

 記念シンポには、執筆者の沖縄青少年自立援助センターちゅらゆいの金城隆一代表、こども家庭リソースセンター沖縄の與座初美代表、南風原町こども課の前城充課長らが登壇する。午後3時15分に閉会した後、同会場で懇親会を開く。参加費はシンポ、懇親会それぞれ千円(学生無料)。

 申し込みは電子メールで件名に「出版記念シンポ申込」と明記し(1)名前(2)立場・所属(3)居住地域(4)電話番号(5)懇親会参加希望の有無-を記入し送信する。宛先はokinawahakusho@gmail.com 問い合わせは、かもがわ出版・三輪さん(電話)070(6420)0024。

 

沖縄子どもの貧困白書
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