陸自弾薬庫整備に反対決議 宮古島の集落「攻撃目標になる」


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
陸上自衛隊弾薬庫の配備に反対する決議を審議する総会=10日、沖縄県宮古島市城辺

 沖縄県宮古島市への陸上自衛隊配備計画で、場所未定の弾薬庫の配備場所として同市の城辺保良(ぐすくべぼら)の鉱山が有力候補となっているとの報道を受け、保良部落会(砂川春美会長)は10日、保良農村総合管理センターで臨時総会を開き、配備に反対する決議を賛成多数で可決した。決議では「有事の際に攻撃目標となることは明らかで、近くで暮らす住民にとっては危険極まりない施設になる」と訴えている。

 防衛省は700~800人規模の陸自部隊を宮古島市へ配備する計画で、駐屯地を市上野の「千代田カントリークラブ」に建設している。「千代田―」に収容しきれないミサイルや覆道射場、訓練場を配備する用地を市内で模索している。

 弾薬庫には千代田に配備される車載型の地対空ミサイル発射機3基と地対艦ミサイル発射機4基の計7基分のミサイルが保管される。防衛省は正式には弾薬庫の設置場所を発表していない。反対する住民らは、本紙記事などを受け、発表後には配備を止めることはできないと考え、事前に意思表示することを決めた。

 臨時総会には全121世帯のうち41世帯が参加し、42世帯が総会の決定に従うとの委任状を提出した。出席者の過半数が決議案に賛成し、委任状を提出した人と合わせて全体の68%の賛同を得た。

 事前に住民有志が集落内で集めた反対を求める署名には約8割に上る101世帯が署名した。今後は住民有志が中心となって市内全域での署名集めや勉強会などを開催する方針だ。

 中立だとする砂川会長は取材に対し「まだ決まっていない計画に対して賛成・反対は言えない。反対へ向けた活動は住民有志に一任している」と話した。