米軍部品落下 保育園父母「安全な日常を」 沖縄県に飛行停止訴え


この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 貞治
沖縄県の富川盛武副知事(左)に嘆願書を手渡す緑ヶ丘保育園の保護者代表=12日午後、沖縄県庁

 米軍ヘリの部品が沖縄県宜野湾市の緑ヶ丘保育園の屋根に落下した問題で、保育園父母会の宮城智子会長らが12日、県庁の富川盛武副知事と県議会の新里米吉議長を訪ね、原因究明までの飛行停止と保育園上空で米軍ヘリを飛ばさないよう日米両政府に働き掛けるよう求めた。保護者らは「落ちた、落ちていないではない。そもそも(上空を)通らなければ起きない」「単純に子が外で遊んで何事もない、当然の日常がただほしいだけだ」などと訴えた。

 富川副知事は、嘆願書と保護者の声をまとめた文を読み「子どもたちが大変恐れおののいて、心に傷を負っていることがよく分かる。上空を飛ばないようにとの要望の意をくんで、県としても取り組みたい」と応じた。

 新里議長は「趣旨を考えて、軍特委(米軍基地関係特別委員会)としてこういったものを議会として表明する方法がないか、委員長と相談したい」と述べた。

 嘆願書は(1)事故の原因究明、再発防止(2)原因究明までの飛行禁止(3)普天間基地を離着陸する米軍ヘリの保育園上空の飛行禁止-を要望した。保護者や保育士、保育園職員ら46人の手書きの要望も添えられた。

 添付の要望書の中には、子どもが家に帰ってから「大きい音がした。怖い」「爆弾かと思った」と話し、情緒不安定になる子の様子も紹介している。その他、保護者の声として「涙が止まらなかった。保育園上空は飛ばさないで」「これまで気に留めていなかったが、身の回りにいつも危険が迫っていたことに気付かされた」などの要望があった。

 一方、園のトタン屋根にはへこみが2カ所見つかり、落下時にできた可能性がある。