聖夜をひとり親家庭に NPO「チャリティーサンタ」沖縄支部 無料プレゼント贈る


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クリスマスの訪問に備えて、子どもとの会話のこつなどを学ぶチャリティーサンタ講習会=11月、浦添市社会福祉センター

 小さな子どものいる家庭にサンタを派遣しているNPO「チャリティーサンタ」沖縄支部(渡部幸男代表)は今年から、ひとり親家庭に無料でプレゼントを贈る取り組みを始める。東京の本部では一昨年から経済的に余裕のない家庭の子ども向けに行っており、沖縄県内ではしんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄(秋吉晴子代表)と連携する。渡部代表は「クリスマスの思い出をつくる手伝いをしたい」と話している。

 チャリティーサンタは2008年に活動を開始。2千円で子どものいる家庭にサンタを派遣し、保護者から預かったプレゼントを届けている。15年には、経済的に厳しい家庭向けに「ルドルフ基金」を創設した。

 基金創設のきっかけは、申し込み世帯へのアンケートで、世帯平均年収が800万円と収入の高い家庭が訪問を希望する割合が高かったことだ。「経済的に厳しい家庭の子どもにサンタ活動を届けよう」と、同年から基金を使って施設や病院で過ごす子、ひとり親家庭などにお菓子の入ったブーツを贈る活動を始めた。数は昨年までの2年間で約1900人に上った。

 2年前に発足した沖縄支部は、これまで希望する家庭への訪問に限っていたが、今年から基金を活用してひとり親家庭の子どもたちにプレゼントを贈る。当日は、事前に保護者らから子どもたちの良いところや応援の言葉を預かり、サンタが伝えるサプライズも。訪問を希望しない家庭でも、申し込めば子ども宛てにオリジナルの「サンタからの手紙」を届けることもできる。

 秋吉代表は「普段、面と向かって子どもを褒めたり、感謝したりすることは照れくさいが、サンタが代わって伝えてくれると親としてありがたい」と企画を喜ぶ。渡部代表は「母子家庭で育った一人として、子どもたちを応援したい気持ちがある。訪問地域は本島の一部に限っているが、今後、訪問数や地域を増やしていき、ゆくゆくは離島にも活動範囲を広げたい」と話した。

 沖縄支部は、サンタに扮(ふん)するボランティアへの参加と「ルドルフ基金」への1口3千円の寄付を呼び掛けている。問い合わせは同沖縄支部okinawa@charity-santa.com(新垣梨沙)