小学校上空は「訓練区域内」 窓落下事故で米海兵隊回答、日米合意では「回避」 沖縄県警は事故機調査


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
窓が普天間第二小学校の運動場に落下したCH53Eヘリコプターの調査。沖縄県警の捜査員らとみられる=14日午前、沖縄県宜野湾市

 13日に沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校の運動場に米海兵隊普天間飛行場所属のCH53Eヘリコプターの窓が落下した事故に関連して、在沖縄海兵隊は14日、小学校の上空を米軍機が飛行することは日米間で確認された経路を逸脱し合意違反に当たるとの指摘について「海兵隊の運用は日米間の合意に沿って行っている」との見解を示し、合意違反との指摘を否定した。

 一方、県は、普天間第二小上空の飛行は合意違反に当たるとの認識を示しているほか、同小の喜屋武悦子校長も米軍が今後学校の上を飛行しないと確約しない限り、事故現場の運動場は使用できないとしており、教育関係者らが反発している。

 翁長雄志知事は14日、事故を受けて上京し、防衛省や在日米国大使館などへ、過去1年に米軍機の墜落や事故が相次いでいると抗議し県内の全米軍機の飛行停止を求めた。県警は同日、普天間飛行場内に入り、米軍立ち会いの中で窓が落下した事故機を調査した。

 在沖米海兵隊は「合意違反」の有無を問う琉球新報の質問に「海兵隊の飛行訓練は2国間の協力協定と沖縄全体の安全を支えるため、日米両政府の間で過去に合意した訓練区域で実施している」と回答した。

 普天間飛行場を離着陸する経路は2004年の米軍ヘリ沖縄国際大墜落事故を受け07年に日米で再検討した。その際確認した飛行経路は普天間第二小の上空を避ける形になっている。

 さらに1996年に日米が合意した普天間飛行場の航空機騒音規制措置は場周経路の設定について「学校、病院を含む人口稠密(ちゅうみつ)地域を避ける」としている。ただ「できる限り」とのただし書きがあり、米側はこの文言を根拠に合意違反を否定した可能性がある。

 事故を受け来県した福田達夫防衛政務官は14日、富川盛武副知事との会談で飛行経路について「既に合意がある」と述べ、米軍は合意を順守し同小上空の飛行を避けるべきだとの認識を示した。

 富川氏は会談後、記者団の取材に普天間第二小上空の飛行は「約束違反、合意違反だ」と強調した。(島袋良太)