不法投棄増に警戒 沖縄市3自治会が視察 「倉敷」産廃業取り消し


この記事を書いた人 大森 茂夫
家庭ごみや粗大ごみなどが不法に投棄されたままになっている現場=16日、沖縄市内

 【沖縄】産業廃棄物処理業などの許可を県に取り消された、倉敷環境(沖縄市、南裕次社長)周辺の池原、知花、登川の3自治会は16日、市内の不法投棄現場3カ所を視察した。3自治会合同の現場視察は今回が初めて。倉敷環境がこれまで処分を担っていた大量の廃棄物が、同社の営業停止で行き先を失ったことに、参加者からは「不法投棄の増加につながりかねない、強い危機感を抱く」と懸念の声が上がっている。

 視察先の一つ、知花城跡周辺には市指定文化財の「上之殿毛(いーぬとぅぬもー)」や祭祀を行う「神アサギ」など神聖な場があり、今でも住民が拝所などとして使っている。一方、周辺はやぶに囲まれており林の中にはクーラーや換気扇、洗濯機などが無造作に捨てられていた。池原自治会の外間攻生顧問は「県は取り消し処分を決定したが、行き先をなくしたごみは不法投棄される。対策もないままに取り消すのはあまりに身勝手だ」と県の対応を批判した。

倉敷環境の産廃許可取り消しにより、周辺自治体への不法投棄増加を懸念する自治会関係者ら=16日、沖縄市知花

 倉敷環境を巡る諸問題について協議する7者協議会へ、県から取り消し処分に関する事前説明がなかったことに、仲宗根義明登川自治会長は「これまでさまざまな協議をしてきたのに、何の説明もない。これでは何のための協議会か分からない」と不信感を募らせた。

 一方、宇良敢知花自治会長は「ごみが増えて困るのは地域住民だ。投棄されても私有地だと行政は対応できず、結局自治会に連絡がくる」とし、不法投棄への具体策取り決めを求めた。