平良港岸壁一部使用へ 5万トン級客船接岸可能 漲水地区


この記事を書いた人 大森 茂夫
バースの一部供用開始に向け、テープカットとくす玉を割る関係者ら=16日、宮古島市の平良港漲水地区

 【宮古島】宮古島市の平良港漲水地区の複合一貫輸送ターミナル整備事業に関する暫定供用式が16日、同港で開かれた。今回、暫定的に295メートルのバース(岸壁)の供用が開始され、1万トン級の貨物船や5万トン級のクルーズ船の接岸が可能となった。事業最終年度の24年度までに総延長440メートルのバースが整備され、最大11万トン級のクルーズ船が接岸可能となる。総事業費は168億円。主に物流拠点として活用されるが、観光振興にも大きく寄与する見通しだ。

 平良港漲水地区は1980年代後半までに整備され、定期貨物船が就航してきた。近年、港が老朽化し貨物船の大型化に対応できなくなりつつあった。冬場は季節風の影響を受け、安全に接岸しにくい状況もあった。貨物の需要は増加しているが、コンテナの荷さばき地が不足していた。新たな港は耐震性能も備えている。貨物船が入港していない時にクルーズ船が活用する計画だ。今後もバースの整備を進め、船が寄港しやすいように防波堤の一部を撤去する。貨物船よりも水深が必要なクルーズ船が接岸できるように、バース付近を浅く浚渫(しゅんせつ)する。

 16日の供用式では関係者が集いテープカットなどがあった。下地敏彦市長は「本市の経済活性化、観光振興につながるものと確信している」と語った。

 平良港は官民連携のクルーズ船拠点形成事業にも選ばれており、14万トン級の大型クルーズ船が接岸できるバースや旅客施設の整備も始まっている。20年の供用開始を予定している。