空手の本質 継承を 浦添でシンポ 今野さん講演


社会
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今野敏氏

 沖縄の伝統空手の保存継承に向けた方策を考えるシンポジウム「空手はどこから来たか」(同シンポジウム実行委員会主催)が16日、浦添市の結の街研修センターで開かれた。空手関係者約220人が詰め掛け、沖縄伝統空手の保存や継承の重要性を再認識した。

 登壇した作家の今野敏さんは、2020年の東京オリンピックで空手が正式種目となる中「競技の面だけが取り沙汰されてしまうと沖縄伝統空手をやる人がいなくなってしまう危険性がある」と懸念を示し、それを防ぐため「『沖縄伝統空手は文化』という魅力をどんどん発信していくべきだ」と強調した。

 県空手道連合会長の島袋善保氏は「空手が競技化され、沖縄伝統空手から逸脱した」と批判した上で「沖縄の空手界は、伝統空手を継承保存発展させるという意識をもって、さらなる結束をしなければならない」と呼び掛けた。

 別の県内の空手団体の重鎮らからも「沖縄伝統空手は永久に変わらないことに価値がある」「沖縄空手の本筋を見失うことなく継承に努めなければならない」といった決意が示された。

英文へ→Bin Konno gives lecture on preserving the essence of Karate at Urasoe symposium