上江洲均氏が死去 沖縄の民具研究の第一人者 80歳


社会
この記事を書いた人 志良堂 仁
第29回東恩納寛惇賞を受賞し喜びを語る上江洲均氏=2012年1月、那覇市内の自宅

 沖縄の民具研究の第一人者で名桜大学名誉教授、久米島博物館名誉館長の上江洲均さんが17日午前5時27分、病気のため那覇市立病院で死去した。80歳。久米島町出身。告別式は19日午後4時から、那覇市銘苅3丁目22、サンレー那覇北紫雲閣で行う。喪主は妻のキクさん。

 上江洲氏は1937年久米島町生まれ。61年琉球大学国文科卒業後、公立学校教諭を経て、67年に琉球政府立博物館に学芸員として勤務。県立博物館副館長、久米島博物館館長のほか沖縄民俗学会会長、「新沖縄県史」編集委員会会長などの要職を歴任した。2012年には第29回東恩納寛惇賞(琉球新報社主催)も受賞した。

 沖縄の民俗調査・研究で幅広い成果を収め、特に生活道具である民具の研究を通して琉球諸島の生活史に光を当てた。徹底したフィールドワークにより、それまで手付かずだった沖縄・奄美地域の民具研究の端緒を開いてきた。さらに沖縄の民俗研究の組織化に取り組むなど、指導者としての功績も高く評価されている。【琉球新報電子版】