燃え殻からダイオキシン類 読谷・古堅 沖縄県が代執行で撤去へ


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 読谷村古堅の草むらに大量の燃え殻(灰)が不適切に保管されている問題で、燃え殻には基準値の30倍以上のダイオキシン類が含まれていたことが18日までに、沖縄県の調査で分かった。県はこれまで関係する2業者とその代表者に対し、改善命令や措置命令を繰り返し出したが改善されなかったため20日、業者に代わって撤去する行政代執行に着手する。廃棄物処理法に基づく県の代執行は2件目。県環境整備課の担当者は「現時点では有害物質の飛散はないが、安全確保のため一日も早く撤去する必要がある」と説明した。

 県によると、行為者は浦添市牧港の産業廃棄物処理業者2社と両社の代表者1人で、保管場所は代表者の私有地。燃え殻はフレコンバッグ(袋状の包材)94袋に詰められていて、総量は約100トンとみられる。

 県は2014年4月に情報提供を受け、現場を確認した。15年6月に燃え殻を採取し分析した結果、基準値を大幅に上回るダイオキシンや鉛などが検出された。行為者は「リサイクル資財に使うため置いている」として不適切保管を否定しているという。

 代執行の費用は約1300万円。高濃度のダイオキシン類が含まれる燃え殻は県内での処理ができないため、県外に搬出される。