新・東中学校は旧・東中学校? 東村3校統廃合 村教委、説明と不一致


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 【東】4月に行われた沖縄県の東村立3中学校の統廃合で、東村教育委員会はこれまで、東と有銘、高江の3中学を閉校して新たな東中として開校したと説明していたが、閉校したのは有銘中と高江中のみで、東中は閉校していなかったことが分かった。

 村教委は3月まで、東中への吸収統合ではなく、3校を閉校して新たな東中として4月に開校すると保護者や卒業生に説明。2月と3月には東、有銘、高江の3中学で閉校式も開かれた。村教委によると、閉校式を終えた後に教育関係者と協議した結果、東中を閉校させない方針が決まった。しかし、8月以降、学校の評議委員会やPTAに説明するまで、東中の継続は公表されていなかった。

 東中は新しい学校として校歌や校章、校旗、制服を一新した。しかし、閉校していなかったため、来年3月に卒業する3年生は1期生ではなく、70期生になる。

 村教委の比嘉一之教育長は「東中はいったんセレモニーとして閉校式を開いた。東中は閉校しておらず、歴史は継続する」と話した。手続きや制度の不備はないという。

 一方で、有銘中や高江中の卒業生や保護者に、村教委の姿勢に疑問が広がっている。3年の娘がいる母親は「新しい中学になると思っていた。ちゃんと説明してほしかった」と述べた。息子が東中に通う有銘中出身の父親は「有銘中も歴史があったのに」と憤った。