キングス、破竹11連勝 西宮に89―75 Bリーグ第23戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは17日、沖縄市体育館で西宮ストークスとホーム2戦目(今季第23戦)を行い、89―75で快勝し、連勝は11となった。キングスは通算18勝5敗。試合は素早い点取り合戦から始まったが、キングスの堅い守備が相手のシュートミスを誘った。西宮は2日連続のゾーン守備を展開するも、キングスはしつこくインサイドを攻めつつ、岸本隆一の3点弾などて、前半を47―34で折り返した。後半は接戦が続くも、第4Qから攻撃のテンポを上げたキングスはビッグプレーで会場を盛り上げ、西宮を圧倒した。(観客3533人)

キングス 18勝5敗
89―75(31―13,16―21,21―20,21―21)
西宮 5勝18敗

 【評】攻撃枚数を増やしてきた西宮に対し、キングスは手堅い守備でタフショットを打たせ、第1Qから19点差のリードをつくる。第2Qは守備の切り替えの遅れや凡ミスで追い付かれるも、選手交代などで流れを修正した。第3、4Qは互角の点数となったが、前半に大きく貯金をつくったキングスが西宮を振り切った。

◆守備がまだ不安定
 佐々宜央HC(キングス)の話 守備がまだ不安定で、1対1などで簡単に抜かれてしまう。日本人選手で信用できるのは須田侑太郎と田代直希ぐらいだ。攻撃は、相手守備をこじ開ける選手が少ない。強豪と戦うためにも、コートの5人全員が事態を打開できるように練習していかないといけない。

◆第1Qの点差課題
 高橋哲也HC(西宮)の話 第2Q以降は得点することが改善できたが、第1Qの点差をどうするかが今後の課題となる。得点し続けることが、今の苦しい状況を突破する鍵になる。

◆金城 いぶし銀の働き

キングス―西宮 第3Q、相手ゾーンの空いたスペースに切り込みシュートを決める金城茂之=17日、沖縄市体育館(新里圭蔵撮影)

 西宮の徹底したゾーン守備に対し、2戦目も第1Qから点差を広げたキングス。第2Q以降は接戦が続いたが、この日は後半からコートに立った金城茂之がオフボールで味方のチャンスをつくるいぶし銀の働きでチームを鼓舞し、観客の声援を集めた。2アシスト4得点と目立つ記録ではないが、勝負どころでの活躍に佐々宜央HCも「今日はシゲ(金城)に助けられた」とたたえた。

 16日同様、第1Qの点差が勝機を分けた。キングスは激しいプレスでタフショットを打たせつつ、攻撃では二ノ宮康平が広い視野でペイントエリアにロングパスを送り、得点をアシストした。しかし第2Qから互角の展開へ。西宮のゾーン守備に対し、佐々HCが求める「俯瞰(ふかん)のプレー」の実行力で選手間に差が出てしまう。守備も1対1やピック&ロールから、フリーでシュートを許すなど、課題を残した。

 その中で石崎巧ら経験値の高い選手らが攻撃の起点となりつつ、岸本隆一が75%の高確率で3点弾を沈めた。金城も「コートに立つのが久しぶり。(喜びを)かみしめながらやってた」と、オフボール時に相手守備を崩す得意なプレーをし続けた。11連勝中だが、佐々HCの見方は「まだ守備の不安定感がでかい」と厳しい。求めるパフォーマンスを表現できない選手に対し、「(勝ったから)『イエーイ、金城さんありがとう』でなく、お前らが…、ってことです」と発奮を促した。(嘉陽拓也)