チーイリチャー復活へ 名護市食肉センターが血の採取再開


この記事を書いた人 Avatar photo 宮城 久緒
復活するチーイリチャー。豚の血が原材料でご飯の上にのせたメニューも人気がある

 【名護】沖縄の郷土料理チーイリチャーの原材料となる豚の血の採取を県北部食肉協業組合(名護市食肉センター)が4月12日から停止している件で、食肉センターは19日、採取再開すると発表した。

 再開後の採取量はこれまでの三分の一になる見込み。作業工程をマニュアル化し安全確保を徹底する。出荷は27日を予定しており、年内には家庭でチーイリチャーを味わえる。

 採取した血を4度以下に保つなど国が定める「と畜場法施行規則」などに基づいた採取工程がとられていないとして県から行政指導を受けて出荷を停止していた。

チーイリチャーの原材料となる豚の血の採取を再開する県北部食肉協業組合(名護市食肉センター)=名護市

 食肉センターは、北部食肉衛生検査所の指導の下、検証を重ねた。食の安全基準HACCP(ハサップ)に沿って血の採取行程の手順書を作成した。

 工程をマニュアル化し、2人増員するなどして4度以下での血液保管を徹底する。また、販売にあたり商品説明書を添付することや、血の採取方法を明確にすることも実施する。

 採取量がこれまでより減るため出荷価格は上昇する。食肉センターの国吉俊秀専務理事は「企業の責務として安全確保の取り組みを徹底する」と語った。【琉球新報電子版】