石垣空港から初輸出 香港便活用、需要喚起へ


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 【石垣】今年4月に国際貨物輸出入が可能な税関空港に指定された南ぬ島石垣空港から12月19日、国際貨物が初めて本格的に輸出された。石垣市は特産品の海外プロモーション事業の一環として2018年3月まで香港市場向けの定期的な輸出を実施し、同空港からの貨物輸出の需要喚起と円滑な輸出に向けた環境整備につなげたい考えだ。

初輸出記念セレモニーでテープカットする関係者ら=12月19日、南ぬ島石垣空港の貨物代理店棟

 18年3月まで毎週火曜日の香港エクスプレスの旅客便に輸出貨物を搭載する。同期間中はプロモーション事業の一環として、一括交付金を活用して搭載貨物1キロ当たり30円の運賃を市が補助する。

 市が貨物スペースとして1回当たり200キロを確保しており、受託手荷物の量に応じて、最大1トン程度まで輸出が可能となる。18年4月以降は貨物需要などを勘案してプロモーション事業の継続を検討する。

 市商工振興課によると那覇空港経由の輸出には国際物流ハブ活用事業による運賃の全額助成があるため、現状では市からの補助を含めても石垣空港から直接輸出するコストは、那覇空港経由を上回る。

 同課は輸出貨物量の増加や通関業務完了前などの貨物を一時保管する保税地域の整備などで、輸出コスト軽減や輸出に要する時間短縮を図りたいとしている。

 12月19日には香港フードフェスティバルに出展する菓子や黒糖・酒類など約630キロの商品を輸出した。初輸出に合わせて関係者らが参加した記念セレモニーも開かれた。中山義隆市長はあいさつで「自然豊かな本市で、生産者の愛情で育まれた商品が世界で活躍することを願う」と今後に期待を寄せた。