沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の平良朝敬会長は27日、本島北部の自然を生かした新たな観光資源を開発する「北部観光振興プロジェクト構想」を明らかにした。那覇―本部間の海上交通をはじめ、本部半島をロープウエーで移動する新たな観光施設、ブセナ海中公園(名護市)でのサンゴの植え付け体験型観光を柱とする。民間出資の基金による3事業の運営を検討する。北部市町村などと連携しながら、2021年までの事業開始を目指す。

 名護市から北の地域には年間360万人以上が訪れる沖縄美ら海水族館の人気施設があるものの、観光客は宿泊せず他地域に移動する「通過型」が多い。北部の自然を生かした観光資源を開発することで宿泊を促し、周辺地域の消費額向上につなげるのが狙い。

 OCVBは本部町、名護市、今帰仁村と今年5月から月に一度のペースで会議を行い、事業の実現に向けた検討を重ねている。高速船運航やロープウエー導入などに必要な手続きや調整なども関係機関と並行して進めている。

 那覇クルーズターミナルから本部町の海洋博公園まで結ぶ高速船については、内閣府が2018年度に実証実験を行う「沖縄観光ステップアップ戦略」にOCVBや沖縄美ら島財団、久米商船など6社共同で事業提案しており、事業として採算性などの効果を検証する考えだ。

 事業化に向けて平良会長は「公的資金を使わず、民間で運営する」と語り、OCVBや複数の企業による出資を想定している。3事業を実現するには約300億円の初期投資費用が必要と見込んでいるが、3事業を一括して運営することで採算性を高め、出資者を多く募ることを模索する。

 道路整備に比べ環境影響が少ないとされるロープウエーだが、投資に対する費用対効果や景観への配慮などが求められる。高速船の運航の免許取得や導入船の整備など実現に向けた課題は多い。平良会長は「ハードルはあるが北部振興、沖縄全体の観光振興につながる」と強調した。