外来種ツルヒヨドリ 名護で確認 農作物に影響 懸念


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名護市で確認されたツルヒヨドリ=25日、名護市内中山線

 【名護】世界の侵略的外来種ワースト100に挙げられるツルヒヨドリが沖縄本島中部から北部にまで拡大している。ツルヒヨドリは南北アメリカの熱帯地域を原産地とする、つる性の植物で、日本では1984年にうるま市の天願川河口付近で発見されている。環境省那覇自然環境事務所では「在来生態系だけでなく、農作物にも大きな被害を及ぼす可能性があり、見つけたらすぐに防除する必要がある」と注意を呼び掛けている。

 名護市内では名桜大学から屋部に向かう中山線の一帯で広がっているのが25日、沖縄生物学会の島袋徳正氏=名護市=によって確認された。市東江の一部でも広がっている。アメリカでは「1分で1マイル広がる雑草」の異名を持ち、つるで絡み付きながら猛烈な勢いで広がるという。

 花は11月から12月に小さい白い花が集まって咲き、1月には綿毛に付いた軽い種を多量に付ける。

 ツルヒヨドリを栽培したり、広げたりすることは法律で禁止されている。環境省では「種がついている時期に防除を行う場合は、飛び散らないように種を先に取るなどしてもらいたい」と呼び掛けている。焼却が有効で、土砂も移さないよう注意が必要となる。

 県内では読谷村、うるま市、沖縄市、国頭村でも確認されている。沖縄自動車道でも見られる。
(幸地光男通信員)