米軍、高江に大量ごみ 自然遺産候補地に隣接 環境への影響懸念


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約3時間の散策で90リットルのポリ袋2袋分を回収したマイク・ヘインズさん(左)と会田民穂さん=12月中旬、東村高江の森(宮城秋乃さん提供)

 世界自然遺産の推薦候補地に近い東村高江の森で、米軍の野戦用携帯食料(レーション)のごみが大量に見つかった。退役軍人らでつくるベテランズ・フォー・ピース(VFP)のマイク・ヘインズさんらが今月中旬に森を散策中に見つけ、回収した。発見場所周辺には米軍北部訓練場が広がっているため、訓練中の米軍人がごみを放置した可能性が高い。同訓練場での駐留経験もあるヘインズさんは「環境への配慮が欠けているのはもちろんだが、現場にごみを放置すれば敵に見つかるリスクも伴う」と述べ、訓練における緊張感の欠如も指摘した。

 ヘインズさんらを森に案内したチョウ類研究者の宮城秋乃さんは、2011年ごろから高江の森で大量のレーションごみを拾い続けている。レーションはアルミやプラスチック製のものが多く、中には強い紫外線を浴び劣化し粉々になったものもあるという。宮城さんは「拾っても拾っても、とても一人では全部片付けられない」と述べ、周辺環境への影響を危惧した。

 米カリフォルニア州で環境教育者として活動する会田民穂さんは、今回VFPの一員として来県した。アルミ製品が長期間放置されれば化学成分が溶け出し、土壌や水質の汚染を引き起こす可能性があり「きれいな空気や水へのアクセスが阻害されるということは、基本的人権の侵害と同じだ」と批判した。

 ヘインズさんは「自国の軍隊が海外で環境汚染していることはとても恥ずかしい。沖縄の方々に申し訳なく思う」と述べた。(当銘千絵)