首里城公園「新春の宴」が1日、那覇市の首里城公園で始まった。
1日午前、琉球王国時代の正月儀式「朝拝御規式(ちょうはいおきしき)」の三つの場面が再現された。最初に再現された「子之方御拝(にぬふぁぬうぬふぇ)」は、国王をはじめ、王族や王国の高官、庶民の代表らが参列し、神様に1年の平穏を祈願する儀式。御座楽(うざがく)が鳴り響く中、「国王」と「王妃」が姿を見せ、ゆっくりと御庭(うなー)に進んだ。国王と臣下らが祭壇に向かって拝礼し、「ワンスイ(万歳)」と声をそろえて唱え、新年を祝った。
御庭には、大勢の観客が詰め掛け、豪華な衣装を身にまとった国王らによる厳かな儀式に見入った。東京都から観光にきた嶋田義皓さん(36)=会社員=は「荘厳で、本土にはない大陸的な文化を感じる」と感心していた。地元の金城南緒さん(13)は「昔は、こんなことしていたのだと勉強になった。高校になったら自分も出演したい」と話し
た。
下之御庭(しちゃぬうなー)では無料のさんぴん茶と甘酒が振る舞われ、琉装の女性たちが笑顔で訪れた人たちに勧めていた。長野県駒ヶ根市から三世代で観光にきた倉田良夫さん(68)は「初めて飲む味。とてもおいしい」と笑顔だった。新春の宴は3日まで。3日午前には、御座楽の演奏とともに国王・王妃が正殿から出御する「国王・王妃出御」が行われる。【琉球新報電子版】