今年も豊漁、安全に 恩納・前兼久 神屋に集い「舟興し」「初祈願」


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恩納村前兼久で行われたフナオコシ(舟興し)とハチニガイ(初祈願)=2日

 【恩納】沖縄県恩納村の前兼久で2日、フナオコシ(舟興し)とハチニガイ(初祈願)が行われた。金城正則区長はじめ大勢の区民の男性が午前10時前に公民館すぐ横の神屋前に集まり、初祈願した。

 毎年1月2日に行われるこの神事は、海での安全と大漁を祈願し、区民の無病息災と区の繁栄を祈る。この日は昔から恩納村で漁業を主ななりわいとしてきた前兼久だけで行われている。

 昔は祈願の後、漁民全員が舟で海に出て、取った魚を女性たちが料理し、ご先祖や神様にお供えをしてから皆で食べて親睦を図る、漁師たちの初仕事だった。また当日取ってきた魚は売ってはならず、全部食べることになっていた。金城区長は「5年ほど前には元気な年寄りの漁師がいたので、昔通りに舟を出してやったことがある」と懐かしそうに話した。(小山猛三郎通信員)