成人式典で「校歌大会」 糸満、“主役”自ら企画 笑顔あふれ


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「2018年糸満市成人式典」内で開催された「校歌大会」で、思い出の校歌を歌った新成人=7日、糸満市西崎総合体育館

 【糸満】沖縄県糸満市西崎総合体育館で7日に開かれた「2018年糸満市成人式典」(市教育委員会主催)で、新成人が出身中学の校歌を歌い披露する「校歌大会」が行われた。「私たちが式をつくりたい」と式典実行委員会に参加する新成人が企画し、初開催となった。新成人は出身校の校歌のメロディーが流れるとパッと笑顔になり、時折歌詞を忘れつつも、最後まで和気あいあいと歌っていた。

 「校歌大会」は、同実行委のメンバーの新成人を除外した他の実行委員が、歌う姿勢や歌声に表れる気持ちなどを総合して審査し、西崎中学校卒業生が優勝した。

 各中学校に分かれた新成人は即興で指揮者を登場させたり、手拍子を入れたりして、思い入れのある校歌を歌い上げた。歌詞の一部を忘れて、たどたどしく歌う場面も見られたが、久しぶりに再会した友人同士で顔を合わせて笑い、会場は終始、笑顔に包まれていた。

 同実行委副委員長を務めた新成人の伊佐龍郎さん(20)は「校歌には思い出が詰まっている。思い出せない歌詞の部分があっても、思い出はよみがえったはずだ」と語った。新成人が式典の企画をすることについて「互いにアイデアを出し合って話し合って作り上げることに達成感を感じた」と話し、大人の表情を見せた。

 同実行委員長の神村逸子さん(64)は「企画の段階で、新成人の実行委メンバーの『私たちが式をつくりたい』という言葉にまず心を打たれた。今後の糸満市を担うにふさわしい。大志を胸に、未来を切り開いていってほしい」と期待した。