宮古島の陸自弾薬庫、保良鉱山に決定 防衛省、市に17日伝達


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 防衛省が沖縄県宮古島市への陸上自衛隊配備計画を巡り、弾薬庫などのミサイル部隊関連施設の予定地に同市の保良鉱山を選定したことが11日分かった。複数の関係者が明らかにした。福田達夫防衛政務官が17日に宮古島市入りし、下地敏彦市長に整備方針を伝える。防衛省は今後、用地取得に向けて地権者との調整を本格的に進める方針だが、地元の保良部落会は配備に反対する決議を賛成多数で可決しており、難航も予想される。

 宮古島への陸自配備で、防衛省は2018年度予算案で千代田カントリークラブへの駐屯地整備費93億9千万円、隊員の宿舎整備費49億8千万円を盛り込んだ。施設整備に合わせ、宮古警備隊(仮称)約380人を18年度末に新設し配備することも決めており、既に施設整備に着手している。

 弾薬庫や射撃訓練場などの関連施設は保良鉱山への整備計画が取材などで既に明らかになっているが、防衛省は候補地の公式発表をせずに弾薬庫などの関連予算117億3千万円を18年度予算案に盛り込んだ。そのため、18年度予算案が審議される今月下旬からの通常国会を前に地元に説明する方向に傾いた。

 防衛省は当初、同市平良の「大福牧場」周辺に弾薬庫を含む駐屯地を建設する計画だった。だが周辺は地下水保全区域に当たり、下地市長が地下水源への影響を懸念して反対したため断念。その後改めて候補地選定作業を進めていた。