全機種で即応不十分 沖縄の機体、腐食を懸念 海兵隊航空計画で指摘


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 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米海兵隊は8日までに公表した「2018航空計画」で、海兵隊の全航空機の即応態勢が定常の要件を下回っていると指摘した。過密な訓練や整備などの専門職人材の不足、不十分な資材や部品、予測が難しい資金調達、航空機材の老朽化が、「資源」のトレードオフ(一方のリスクを無くそうとすると別のリスクが生じる)と再配分を余儀なくされてきたと説明。沖縄やハワイといった腐食が起こりやすい「過酷な自然環境」からの航空機保護を目的に、他の基地の機体とのローテーション計画を導入する。

 塩害などが沖縄に駐留する機体の老朽化に影響していることを懸念しているとみられ、県内で事故が頻発するCH53大型輸送ヘリコプターについての「追加整備も削減できる」としている。海兵隊広報は本紙の取材に対し、「単一の航空機が過酷な環境にさらされる時間を短縮するためで、機体1機に対して1機のローテーションを実施するが、駐留自体や兵力の構造を減らす意図はない」と説明した。

 航空計画では、AV8Bハリアー戦闘攻撃機、CH53、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ、H1ヘリのそれぞれについて実施した即応性評価調査の概要も紹介。オスプレイ、CH53Eはそれぞれ、部品の供給不足をはじめ、整備に関する人材の不足、整備訓練のカリキュラムの質に課題があると指摘している。

 また、2017米会計年度中、海兵隊本部に報告された航空機関連事故は70件以上で、うち50件以上がクラスC(5万ドル以上~50万ドル未満の機体の損害や致命的でないけが人が発生)の事故だったと指摘した。