弾薬庫を市長容認、住民反対決議へ 宮古島の陸自配備、防衛政務官と会談


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陸上自衛隊の弾薬庫として保良鉱山の活用を下地敏彦宮古島市長(手前右)に伝達する防衛省の福田達夫政務官(同左) =17日、沖縄県宮古島市

 防衛省の福田達夫政務官は17日、沖縄県宮古島市の市役所平良庁舎で下地敏彦市長と会談し、陸上自衛隊の弾薬庫の配備場所として、同市城辺の保良鉱山を選定したと正式に伝えた。計画ではミサイルを保管する弾薬庫や小銃の射撃訓練をする覆道射場などを配備する。下地市長は「(鉱山は)保良集落に非常に近い場所にある。地域の理解と協力を受けられるように努力をしてほしい」と述べ、容認する姿勢を示した。一方、地元集落は配備に反対する決議を可決しており、反発が予想される。

 防衛省は陸自駐屯地の建設を市上野の旧「千代田カントリークラブ」で進めている。当初は同市平良の「大福牧場」周辺に弾薬庫も含めた駐屯地を建設する予定だったが、下地市長が地下水への影響などから反対したため千代田―に駐屯地を造ることに変更。収容できない弾薬庫の候補地を模索していた。

 福田防衛政務官は「地積や水道水源保全区域外であることから、保良鉱山に配置したいと考えている。理解をお願いしたい」などと述べた。近く住民説明会を開催する。

 一方、鉱山に隣接する保良部落会(砂川春美会長)は昨年12月、「弾薬庫の配備場所として鉱山が有力となっている」との報道を受けて臨時総会を開き、配備に反対する決議を可決した。鉱山を経営する宮古総合開発の砂川武雄社長は取材に、まだ具体的な売買交渉はないとした上で「保良集落と共存共栄を考えないといけない」と述べるにとどめた。

 防衛省は中国の軍事力台頭を念頭に、同市に700~800人規模の警部部隊と地対空・地対艦ミサイル部隊を配備する計画だ。駐屯地は19年2月末までに完成させる予定で、弾薬庫は19年度以降の完成を目指している。