第二小上空に米軍ヘリ 防衛局が確認 普天間所属3機 避難訓練当日に


この記事を書いた人 大森 茂夫
18日午前、避難訓練の合間に市立普天間第二小近くを飛行する米軍ヘリコプター。午後には別の機体が小学校上空を飛行したと防衛省が発表した=沖縄県宜野湾市

 沖縄防衛局は18日午後1時25分、米軍普天間飛行場所属のUH1Yヘリコプター1機、AH1Zヘリ2機の計3機が宜野湾市の普天間第二小学校上空を飛行したのを確認した。昨年12月のヘリ窓落下事故後も、本紙取材などで学校上空の米軍機飛行は度々確認されているが、防衛局が飛行の事実を認めたのは今回が初めて。同校は同日午前、米軍機の上空接近を想定した避難訓練を実施した。避難訓練当日の上空飛行に対し、市民から強い反発が起きている。

 18日の普天間第二小の上空飛行は、防衛局が配置した監視員の目視と同校に設置したカメラで確認された。教員も監視カメラのモニターで確認した。同校は午後も避難訓練を予定していたが、授業の都合で中止を検討していた。上空飛行を受け、訓練中止が正式に決まった。

 一方、ヘリを運用する在日米海兵隊は、レーダー航跡や操縦士の証言を基に海兵隊機は同校上空を一切飛行していないとする声明を発表した。これに対し防衛省は、確認の根拠とした普天間第二小設置の上空監視カメラの映像を報道各社に公開した。

 昨年12月のヘリ窓落下事故を受け、日米両政府は市内の学校施設上空の飛行を「最大限可能な限り避ける」としていた。上空飛行について菅義偉官房長官は同日午後「(上空飛行は)遺憾」とコメントし、小野寺五典防衛相も米軍幹部に学校上空は飛ばぬよう飛行経路の順守を申し入れた。

 宜野湾市は米軍ヘリが学校上空を飛行した理由を確認し、上空飛行の回避を米側に申し入れるよう防衛局に求めた。防衛局は本紙の取材に「学校上空を飛行した具体的理由を明らかにするよう米側に要請している。再発防止策を徹底するよう、各部隊に申し入れている」と答えた。

 本紙記者の取材では、窓落下事故を起こしたCH53が飛行を再開した12月19日と今月11日、普天間第二小上空を飛行するヘリを確認した。そのほか学校関係者や地域住民の目撃証言もあった。防衛局は、9日までに、普天間第二小上空を飛ぶ米軍機を監視するためのカメラ4台を運動場と校舎屋上に設置した。