サッカー元日本代表の高原直泰が監督兼選手として立ち上げた沖縄SVが、14日に福岡県で行われた第41回九州各県リーグ決勝大会で優勝し、来季からの九州リーグ昇格を決めた。2015年12月のチーム設立から2シーズンでの九州リーグ昇格は異例の早さだが高原は「来年にはJFL、再来年にはJ3昇格を目標にしたい」と、さらなる高みを目指している。
昇格決定後、初の全体練習となった18日、高原は厳しいまなざしで選手の動きを見ながら「考えろ」と、言い続けた。監督が指示しても試合を左右する局面では選手自身が次の行動を判断するしかない。「言われたことしかできない選手は試合には出られない。練習から、その次を考え続ければ試合で結果につながる」と力強く語る。
沖縄SVは16年は県社会人リーグ3部に加入し、9試合で123得点、失点1で全勝優勝した。17年は県サッカー協会の推薦による飛び級の1部でも8勝1敗と結果を残した。九州各県リーグ決勝大会の優勝で九州リーグ昇格を決めた。
高原は経験や人脈を生かして選手を発掘しつつ、J1~3の選手を獲得し続ける。チーム発足当初から所属する県出身の石川和磨は「プロ経験者の勝負に懸ける思いは勉強になる」と語る。高いプロ意識を持つ選手同士が競い合うことも、昇格の原動力の一つとなった。
目標とするJFL昇格には成績以外にも参加費や観客席のあるスタジアムの確保など、運営側への条件もある。代表取締役としてスポンサー探しにも奔走する高原は「選手が良い結果を出すためにもチームの組織づくりをしっかりしたい」と意気込む。「これからは沖縄代表として戦う。多くの人に知ってもらい、地域貢献そして発展につなげたい」と語る言葉に自然と力がこもった。
(屋嘉部長将)