「世果報世」へ馬駆ける 石垣平得の「種子取祭」 地域挙げ、多彩な芸能披露


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ひづめの音を鳴らして大阿母御嶽前を駆け抜けた「カタバル馬」=14日、石垣市平得

 【石垣】五穀豊穣(ほうじょう)や住民の無病息災を祈願する石垣市の平得公民館の種子取祭が14日、市平得の大阿母(おおあも)御嶽で行われた。神事や地域住民の舞踊、余興が次々と披露され、地域の繁栄を願った。

 神司や公民館役員らは同日早朝から、八重山の最高神職の初代大阿母が安南(ベトナム)から五穀の種子を持ち帰ったとされる「多田浜」でユーニンガイ(世願い)を行った。

 大阿母御嶽前では平得婦人会や老人会、地域の各班などが多彩な芸能を披露。種子取祭恒例の「カタバル馬」も行われ、平得愛馬会のメンバーが馬にまたがり御嶽前を駆け抜けると、観客からは大きな拍手が起こった。

 大底和夫館長は「世果報世(ゆがふゆ)(平和、幸せな世)と住民の無病息災を願う神事が厳粛に執り行えることに感謝したい」とあいさつした。